マルタの独立系ガイド
Valletta

explore

マルタの本場グルメはどこで食べる?地元流の楽しみ方

観光地の€3パスティッツィは卒業。地元が通うパスティッツィ・フティーラ・フェンカータの店と本音の値段を、料理名つきでご紹介します。

文:Ken(セントポールズベイ在住)公開日: 2026年7月10日

マルタ料理を地元の人と同じように味わいたいなら、料理名を長く並べたリストより大切なことが3つあります。何を頼むか、どこへ行くか、いくらが適正か、です。ざっくり言うと、パスティッツィ(サクサクのパイ)は本物のお店なら1個あたり約€0.50(〜¥83/€1あたり〜¥165)、フティーラ(サワードウの平たいパン)はちゃんとしたパン屋で、そしてフェンカータ(うさぎの煮込み=マルタの国民食)は村のトラットリアで1人€15〜20ほど。この記事では地元の人が実際に通うお店を具体的にご紹介します。観光地カフェの€3バージョンではなく、本物にお金を使えるようにという趣旨です。

要点まとめ

  • 国民食: フェンカータ(うさぎの煮込み。みんなで取り分けて食べます)
  • いちばん安い本場の味: パスティッツィ。本物のお店で1個約€0.50(12個で約€6)
  • 観光地の割高価格: 同じパスティッツィがスリーマやセント・ジュリアンのカフェでは€2〜3
  • ユネスコ登録: マルタのフティーラ(平たいサワードウ)は2020年にユネスコ無形文化遺産に登録
  • フェンカータの名所: ムジャール村(マルタ本島)とゴゾ島

「観光客向けではなく、地元流」とは

多くのガイドは料理名の図鑑のようなものです。12種、20種と名前が並ぶだけで、住所も値段もありません。でも地元の人はそんな食べ方はしません。数えるほどの料理を、決まったお店で、上手に食べます。そして地元価格と海沿いカフェの価格には大きな差があります。この記事はあえて短く、具体的に。おさえておきたい5つと、その場所だけをご案内します。

パスティッツィ:目安は1個約€0.50

パスティッツィはひし形のパイで、外はサクサク。中身はリコッタ(やわらかい白いチーズ)グリーンピースのペーストのどちらかです。地元では前者を「tal-irkotta(タリルコッタ)」、後者を「tal-piżelli(タルピゼッリ)」と呼びます。立ったまま、朝ごはん代わりに食べる定番のおやつです。

目安はシンプル。ちゃんとしたお店なら1個約€0.50。€2〜3払っているなら、それは観光地価格です。地元の基準といえばクリスタル・パレス、通称イズ・セルキン(Is-Serkin)。ラバトのTriq San Pawl(サン・パウル通り)沿い、旧市街ムディーナの門から歩いて数分です。「隣り合ったライバル2店」と書くサイトもありますが、実際は1軒だけ。1945〜46年から続く老舗で、12個で約€6。カウンターで注文し、現金で払い、その場で食べます。

フティーラとホブス・ビゼイト:ユネスコのパン

フティーラはリング状のマルタのサワードウ(自然発酵の平たいパン)で、島の食文化にとても大切な存在です。2020年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。出会い方は2通り。ホブス・ビゼイト(ħobż biż-żejt=「油のパン」)は、パンを割ってトマトペースト、ツナ、ケッパー、オリーブ、オリーブオイルをたっぷり。安くてお腹にたまるランチです。ゴゾ島のフティーラは、具を詰めて平たく焼いた、ピザに近いタイプです。

首都バレッタでは、St Dominic通りの**ネヌ・ジ・アルティザン・ベイカー(Nenu the Artisan Baker)**が、築約100年の石窯を修復して使い、フティーラを焼いています。営業はほぼ毎日、昼12時〜14時半と、夕方17時半〜22時ごろ。ゴゾ島なら、島の人なら誰でも知っている2軒、メクレン・ベーカリー(Mekren)マショック・ベーカリー(Maxokk)。どちらもナドゥール村にあり、その距離はわずか約200m。時間があれば食べ比べも楽しいですよ。

カッサータットと市場

**カッサータット(qassatat)は丸くとじたパイ包みで、中身はリコッタかグリーンピース。パスティッツィのふっくらした親戚のような存在で、ひし形ではなく丸い形が目印です。パスティッツィと同じパン屋で見つかります。首都でいろいろな惣菜パイをまとめて見たいなら、バレッタの屋内フードホールイズ・スーク・タル・ベルト(Is-Suq tal-Belt)**が便利です。

フェンカータ:国民食は村でいただく

フェンカータは、一日の予定を組んででも味わいたい一皿です。うさぎ(fenek)をにんにく、ワイン、トマト、ハーブでじっくり煮込み、まずソースをパスタにからめ、次に肉、という2皿仕立てで、テーブルを囲んで取り分けます。もともと田舎の、みんなで食べる料理なので、本場の味はリゾートではなく村にあります。

本島のムジャール(Mġarr)村が定番です。ここのイル・バッリ(Il-Barri Restaurant)はうさぎの煮込みが看板メニュー。2,800件を超えるレビューで4.4/5、月曜は夜のみ、火〜日曜は昼と夜の営業です。同じ村のタ・リングリズ(Ta’ l-Ingliz)では、フェンカータが1人約€15〜20。すべて注文を受けてから作るので、最大1時間ほど待つこともあります。これは欠点ではなく、そういうもの。予約をして、お腹を空かせて行きましょう。もっと家庭的な味なら、ゴゾ島へ。家族経営の店が代々のレシピで作っています。

時期のこと:ルムナルヤと村のお祭り

フェンカータはマルタ最古の民俗祭りルムナルヤ(L-Imnarja)と結びついています。毎年6月28〜29日、ラバト近くのブスケット庭園(Buskett Gardens)で開かれ、この夜はうさぎを食べるのがほとんど恒例行事のよう。お祭りがなくても美味しいフェンカータは食べられますが、6月下旬の旅なら予定に組み込む価値があります。村の**フェスタ(festa)**シーズンはおおよそ4月下旬〜10月で、この時期の村がいちばん活気づきます。

1日「地元流の食べ歩き」早見表

食事 頼むもの 場所 目安の値段
朝食 パスティッツィ2個(リコッタ+ピース) クリスタル・パレス/イズ・セルキン(ラバト) 約€1
昼食 フティーラ/ホブス・ビゼイト ネヌ(バレッタ)またはナドゥール(ゴゾ)
おやつ カッサータット1個 パン屋またはIs-Suq tal-Belt 約€0.60
夕食 フェンカータ(取り分け) イル・バッリまたはタ・リングリズ(ムジャール) 1人€15〜20

ラバト、ムジャール、ゴゾの村へは、車があるとぐっと楽です。村のトラットリアは特にバスでは行きにくい場所にあります。マルタでレンタカーは必要? 運転するなら、マルタは左側通行という点にご注意を。マルタの左側通行と国際免許(IDP)

よくある質問

マルタの国民食は? フェンカータ(うさぎの煮込み)です。みんなで取り分け、ソースをパスタに、次に肉、という2皿仕立てで出されることが多いです。

マルタのパスティッツィはいくら? 本物のお店なら1個約€0.50(ラバトのクリスタル・パレスで12個約€6)。スリーマやセント・ジュリアンの観光カフェでは€2〜3します。

フェンカータは地元の人はどこで食べる? リゾートではなく村です。本島のムジャール村(イル・バッリ、タ・リングリズ)が定番で、ゴゾ島の家族経営の店では家庭のレシピの味が楽しめます。

マルタのフティーラはピザと同じ? いいえ。フティーラはリング状のマルタのサワードウで、2020年からユネスコ登録されています。ゴゾ版は具を詰めて平たく焼くのでピザに見えますが、生地は歯ごたえのあるサワードウで、まったく別物です。

よくある質問

マルタの国民食は?

フェンカータ(うさぎの煮込み)です。みんなで取り分け、ソースをパスタに、次に肉、という2皿仕立てで出されることが多いです。

マルタのパスティッツィはいくら?

本物のお店なら1個約€0.50(ラバトのクリスタル・パレスで12個約€6)。スリーマやセント・ジュリアンの観光カフェでは€2〜3します。

フェンカータは地元の人はどこで食べる?

リゾートではなく村です。本島のムジャール村(イル・バッリ、タ・リングリズ)が定番で、ゴゾ島の家族経営の店では家庭のレシピの味が楽しめます。

マルタのフティーラはピザと同じ?

いいえ。フティーラはリング状のマルタのサワードウで、2020年からユネスコ登録されています。ゴゾ版は具を詰めて平たく焼くのでピザに見えますが、生地は歯ごたえのあるサワードウで、まったく別物です。