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マルタでの運転と国際免許:ラウンドアバウトと左側通行のリアル

マルタは日本と同じ左側通行・右ハンドル。日本の免許にIDPは必要? 取得は出国前に。ラウンドアバウト、制限速度、車で入れない場所まで正直に解説。

文:Ken(セントポールズベイ在住)公開日: 2026年7月10日

マルタは左側通行で、車は右ハンドルです。つまり日本やイギリスとまったく同じ。運転席に座った瞬間、「あ、いつもと同じだ」と感じるはずです。ただし免許の扱いには注意が必要です。免許証が英語かマルタ語で記載されていない場合、その原本に加えて国際運転免許証(IDP、免許の公式な翻訳証明)を携帯しなければなりません。日本の免許は日本語表記なので、これに該当します。しかもこのIDPは日本を出国する前に取得しておく必要があります。あとはラウンドアバウト、荒めの現地の運転、ヘッドライトのルールを知っておけば大丈夫です。

基本情報(Key facts)

  • 通行区分: 左側通行・右ハンドル(日本・イギリスと同じ)
  • 非EUの免許: 最長12か月まで有効
  • IDP: 免許が英語・マルタ語表記でない場合は必須(=日本の免許は必要)
  • 制限速度: 市街地50km/h、一般道80km/h(これがマルタの最高速度)
  • 昼間のヘッドライト: 点灯義務あり。トンネル内も含む
  • 左側走行への慣れ: ほとんどの人で1日ほど

まず結論から

日本のように左側通行の国で普段運転している方なら、車に乗った瞬間から違和感はほぼありません。大変なのは運転そのものではなく、書類と心の準備のほうです。渡航前に正しい許可証を用意しておくこと。そして、慣れた道よりも数の多いラウンドアバウトと、速くて強気な交通に身構えておくこと。制限速度を守り、守りの運転を心がければ、マルタの運転はシンプルです。この記事ではまず免許のルール、それから運転の話をしていきます。

IDPは必要?

必要かどうかは、国籍そのものよりも「免許に何語で書かれているか」で決まります。

あなたの免許 IDPは必要?
EU / EEAの免許 不要。自国の免許でそのまま運転可
非EUで、英語またはマルタ語表記 通常は不要。最長12か月まで有効
非EUで、英語・マルタ語表記でない(例:日本) 必要。自国免許と一緒に携帯

日本の免許は日本語で書かれているため、実際にはIDPが必要になります。IDPは自国の免許の「代わり」にはなりません。両方を持ち歩き、両方を提示します。レンタカー会社は車を受け取るときにIDPの提示を求めるのが普通なので、「なくても大丈夫だろう」とは考えないでください。警察に求められることもあります。忘れやすい小さな書類ですが、忘れると大きな問題になります。

出国前に日本でIDPを取っておく

日本が発行するIDPは1949年のジュネーブ条約に基づくものです。取得は日本国内で行います。各都道府県の運転免許センターや運転免許試験場、あるいはJAF(日本自動車連盟)で、免許証・パスポート・写真を持参して申請します。有効期間は12か月です。マルタも同じ1949年ジュネーブ条約の締約国なので、日本発行のIDPが有効です。

ここが一番大事なポイントです。このIDPは、日本を出国したあとでは取得できません。 IDPを持たずにマルタに到着してしまうと、空港にもレンタカー窓口にも解決してくれる場所はなく、そのままでは合法的に車を借りられません。ですからパスポートの確認と並べて、渡航前のチェックリストに必ず入れておきましょう。申請自体は短時間で済み、多くの場合その日のうちに受け取れます。

左側通行に慣れていなくても

もともと左側通行の国から来た人なら、運転の感覚はすぐになじみます。ハンドルは右、座る位置も普段どおり、車の流れも体が覚えているとおりに動きます。それ以外の国の方でも、たいていは1日ほどで慣れます。

正しい側を走り続けるための、確実な目印がひとつあります。運転席は道路の中央線側にあるということ。つまり縁石(歩道側)はいつも助手席側にあります。もし縁石が自分(運転席)側に寄って見えたら、寄りすぎのサインです。昔の癖が戻りやすいのは交差点と、駐車スペースから出るとき。最初の1日はこの2つをゆっくり、二度確認してから動きましょう。

マルタのラウンドアバウトを乗り切る

マルタはラウンドアバウト(環状交差点)がとても多い国です。数えきれないほど出てきますし、ここをきちんとこなすことが何より大切です。回り方は時計回り。そしてすでにラウンドアバウト内を走っている車に道を譲ります。左側通行なので、その車は自分の右側から来ます。

正直にお伝えしておきます。現地のドライバーは車線変更が遅く、譲り方も一定しません。教科書どおりには進みません。隣の車が同じ車線にとどまるとは限らないし、譲るべき車が譲らないこともあります。ですから、どのラウンドアバウトでもいつでも止まれる速度で近づき、車線は直前ではなく早めに決め、「相手が譲ってくれるはず」で飛び出さないこと。少し待って、先に1〜2台通してから入るのはここではごく普通のことです。誰もあなたを責めたりしません。

現地の運転スタイル、ヘッドライト、カメラ

マルタの運転は速く、強気です。信号からの加速は鋭く、追い越しは車間が近く、クラクションもよく鳴ります。文字にすると怖く感じますが、制限速度を守って張り合わなければ危険ではありません。強気な車には先に行かせましょう。あなたは休暇中、相手は通勤中なのですから。

旅行者がよく引っかかるルールをいくつか挙げておきます。

  • 昼間もヘッドライトの点灯が義務です。明るい日中でも、特にトンネルを通るときは必ず。交通監視員(ワーデン)が抜き打ちでチェックします。
  • 制限速度は市街地50km/h、一般道80km/h。この80km/hはマルタの最高速度であって、巡航の目安ではありません。マルタにこれより速く走ってよい道はありません。固定式・移動式どちらのカメラも取り締まっているので、アクセルは軽めに。あとで知らない罰金に気づく、ということを防げます。

車で行けない場所

マルタの有名スポットのうち2つは、事実上、観光客の車で入れません。

  • バレッタはCVA課金ゾーン(首都への進入を管理・課金するエリア)の中にあります。レンタカーで乗りつける場所ではありません。
  • イムディーナは車の入れない「静寂の街(Silent City)」。城壁に囲まれた旧市街は、観光の車をそもそも通しません。

どちらも対応は同じでシンプルです。手前に車を停めて、歩いて入る。 そもそも中で駐車するのは難しいですし、2つとも歩いたほうがずっと気持ちよく回れます。

よくある質問(FAQ)

マルタで運転するのに国際免許証は必要ですか? EU/EEAの免許、または英語・マルタ語で記載された免許なら、基本的に不要です。英語・マルタ語表記でない免許(たとえば日本の免許)なら必要です。自国の免許と一緒にIDPを携帯し、求められたら両方を見せてください。

マルタの運転は難しい? 旅行者でも安全ですか? なんとかなります。交通は多くの旅行者が慣れているよりも速く強気で、ラウンドアバウトも混みますが、制限速度を守って守りの運転をすれば安全です。危ないのは道そのものよりも、現地のペースに合わせようとすることです。

マルタはどちら側を走りますか? 左側通行、右ハンドルで、日本やイギリスと同じです。マルタは1964年の独立までイギリスの植民地だったのが理由です。

バレッタやイムディーナは車で走れますか? ほぼ無理です。バレッタはCVA課金ゾーンの中、イムディーナは車禁止。どちらも手前に停めて歩いて入りましょう。