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ゴゾ島ドウェイラの塩田:海塩の結晶と、荒々しい絶景の海岸

ゴゾ島西岸の保護区ドウェイラ。ブルーホールのそばの古い塩田では、夏になると海塩の結晶ができます。塩と塩田の歴史、見どころ、そして本物のマルタ塩をおみやげに買う方法まで、地元在住者がご紹介します。

文:Ken(セントポールズベイ在住)公開日: 2026年7月17日

夕方の光に照らされた、ゴゾ島ドウェイラの黄金色の断崖と岩の造形。手前は澄んだ浅瀬

ゴゾ島の西の端、ドウェイラ。ここは景色がとにかく迫力満点です。ダイビングで有名なブルーホール。崖のトンネルで外海とつながる、穏やかな内海。沖に浮かぶ、立ち入り禁止の小島ファンガスロック。そして、かつて名物アーチ「アズール・ウィンドウ」があった海。そんな見どころに囲まれて、うっかり通り過ぎてしまいそうな古い塩田があります。真夏になると、この塩田にきらきらと海塩の結晶ができるのです。地形の絶景で知られる場所の、静かな楽しみのひとつです。この記事では、塩と塩田の物語、ほかの見どころ、そして保護区であるドウェイラを傷つけずに楽しむコツをお伝えします。

ドウェイラ:ひとことで

  • 場所: ゴゾ島の西海岸。サン・ローレンツ村を抜けた先
  • 見どころ: ブルーホール、内海、ファンガスロック、アズール・ウィンドウの跡。そして岩の古い塩田
  • 塩田: 今は使われていない歴史的なもの。昔は近くの見張り塔を建てる資金づくりにも使われました
  • 保護区: ナチュラ2000指定。マルタ最大級の陸と海の保護区で、世界遺産の候補地でもあります
  • おみやげの塩: 持ち帰りは控えて、マルサルフォルン近くの現役の塩田で本物のマルタ塩を
  • 持ち物・注意: しっかりした靴、帽子、水、日焼け止め。日陰なし。荒れた日は岸のふちに近づかないこと

塩田と、その静かな歴史

ゴゾ島で写真によく登場する塩田は、北のマルサルフォルンの近くにあります。今も家族が手作業で塩を採っている、現役の塩田です。ドウェイラの塩田は、それとはちょっと違います。もっと古くて、静かで、今はもう商売としては使われていません。

海辺の岩を、四角く浅く掘っただけのシンプルなつくりです。夏の強い日ざしで、たまった海水がゆっくり蒸発すると、あとに塩の結晶が残ります。

ひとつ、面白い話があります。見張り塔のそばの塩田は、その塔を建てるお金を集めるために使われていたそうです。塩は、要塞が建つほど価値のあるものでした。じつは英語の「salary(給料)」も、ラテン語で塩を意味する「sal」が語源なんです。聖ヨハネ騎士団の時代には、塩は専売品。勝手に採ることは許されていませんでした。

ゴゾ島ドウェイラの、岩を掘った塩田にできた海塩の結晶

塩の結晶を間近で

真夏、古い塩田に残った海水が乾くと、塩が白い結晶になって集まります。粗くて、薄い板のような形で、意外なほどきれいです。結晶は岩の上にそっとのっていて、手のひらに簡単にすくい上げられます。私も少し手のひらにのせてみました。明るくてすっきりした塩気で、食卓塩のようなツンとした角がありません。

ただ、ここで大事なことをひとつ。ドウェイラは、マルタでも指折りの保護地域です。ナチュラ2000に指定され、マルタ最大級の陸と海の保護区で、世界遺産の候補地にもなっています。近年は地形や景観を守るためにルールが厳しくなり、化石などの持ち去りも制限されています。だから、塩はある場所でそのまま楽しみましょう。見て、写真に撮って、持ち帰らない。おみやげに塩がほしいなら、本物のマルタの海塩を買うのがおすすめです。マルサルフォルン近くの現役の塩田では、手作業で採ったゴゾ島の塩が、ひと袋数ユーロで手に入ります。買うことが、塩づくりを続ける家族の応援にもなります。

ゴゾ島ドウェイラの塩田からすくい上げた、粗い海塩の結晶

ドウェイラのほかの見どころ

塩は、大きな見どころが並ぶこの場所の、ちょっとした楽しみです。

ブルーホールは、海際の岩にぽっかり空いた、まん丸の穴。下へと続く縦穴が、そのまま海へつながっています。地中海でも指折りのダイビング&シュノーケリングスポットです。澄んだ水に心が動いたら、マルタのダイビングの記事もどうぞ。

**内海(インランドシー)**は、崖のトンネルで地中海とつながった、穏やかで浅い入り江。小さな船が、そのトンネルを通って外海へ出るツアーもあります。

ファンガスロックは、湾の向こうに浮かぶ平らな小島です。騎士団が大切にした貴重な植物を守るため、何世紀も前から立ち入り禁止になっています。眺めるのは岸からだけ。

そしてドウェイラ湾は、あのアズール・ウィンドウがあった場所です。2017年3月、嵐のあとに崩れ落ちました。アーチはもうなく、今はそこに海が広がっています。

行き方

マルタ本島からは、チルケウワからフェリーに乗ってゴゾ島のムジャール港へ。詳しくはゴゾ島フェリーの記事をどうぞ。港からは島を横切り、サン・ローレンツ村を抜けてドウェイラの駐車場へ向かいます。

ゴゾ島は、車があるとぐっと楽です(マルタでレンタカーは必要?)。バスや観光用のホップオン・ホップオフバスも停まりますよ。駐車場からは、でこぼこで、ところどころとがった岩の上を少し歩きます。しっかりした靴で行きましょう。日陰はまったくありません。

いつ行く?

ドウェイラは一年中楽しめる場所ですが、塩田に塩がたまるのは真夏の暑い時期です。ブルーホールや内海は、風がなくて水の澄んだ日がいちばん。夕方から日没にかけての光もおすすめですよ。低い日ざしが崖を照らして、とてもきれいです。

ヴィクトリア(ラバト)を観光してお昼を食べたあと、一日の締めくくりに立ち寄るのにぴったり。ちゃんとした食事なら、車で20分ほどのヴィクトリアへ。地元の人が通うマルタ料理の店も参考にしてみてください。

よくある質問

ドウェイラに塩田はありますか?

はい、あります。ブルーホールや内海、ファンガスロックといった有名スポットのそばに、岩を掘った古い塩田が残っています。現役の商業的な塩田は北のマルサルフォルン近くにあり、ドウェイラのものは歴史的な塩田です。真夏には、たまった海水が蒸発して、海塩の結晶ができます。

ドウェイラの塩田で塩を採ってもいいですか?

持ち帰りは控えましょう。ドウェイラはナチュラ2000に指定された、マルタ有数の保護地域です。近年はルールも厳しくなり、化石などの持ち去りも制限されています。塩は簡単に岩から取れますが、見て、写真に撮って、そのまま残すのがマナーです。おみやげに塩がほしいときは、本物のマルタの海塩を買いましょう。

本物のマルタの海塩はどこで買えますか?

ゴゾ島北部、マルサルフォルン近くの現役の塩田で買えます。今も家族が手作業で採っていて、道沿いの小さな洞窟のお店で売っています。ひと袋ほんの数ユーロ。手作りの本物で、買うことが伝統を守る家族の応援にもなります。ここでいちばんのおみやげです。

アズール・ウィンドウは今も見られますか?

残念ながら、もう見られません。ゴゾ島の名物だった石灰岩のアーチは、数日続いた嵐のあと、2017年3月8日に海へ崩れ落ちました。今はアーチがあった場所に海が広がっていて、ダイバーが訪れるスポットになっています。

ドウェイラへの行き方は?

マルタ本島から、チルケウワ発ムジャール行きのフェリーでゴゾ島へ渡ります。そこからサン・ローレンツを抜けて、ドウェイラの駐車場へ。バスやホップオン・ホップオフバスも停まります。見学は無料です。駐車場からはでこぼこの岩の上を少し歩くので、しっかりした靴と日焼け対策を忘れずに。日陰はありません。