マルタの独立系ガイド
Valletta

explore

マルタの狩猟シーズンとハイキング:登山者・トレイルランナーが知っておきたいこと

マルタでハイキングやトレイルランをするなら、9月〜1月は狩猟シーズン。登山道と自然保護区を選び、明るい服を。銃声の意味や安全に歩くコツを、在住者が分かりやすくまとめました。

文:Ken(セントポールズベイ在住)公開日: 2026年8月17日

9月から1月にかけてマルタの田園地帯をハイキングやトレイルランで歩くなら、そこは狩猟をする人たちと共有する場所になります。これは合法で、季節が決まっていて、そして規模がヨーロッパのどことも違います。「安全なの?」への短い答えはこうです。はい、歩けます。走れます。ただし、時期を知り、整備された登山道と法律で守られた自然保護区の中を選び、明るい色の服を着て、近くで聞こえる銃声が何を意味するのかを分かっておくこと。それだけです。

なぜこの記事を書くかというと、当サイトはマルタで歩くベストシーズンは9〜11月とおすすめしてきたのに、そのちょうど同じ月に田園地帯が狩猟でにぎわうことに、これまで触れてこなかったからです。私たちのおすすめと、現地の実際とのあいだにある本当の「ずれ」。ここで正直に埋めておきます。

ハイキングと狩猟シーズン:ひとことで

  • 秋の狩猟シーズン: 毎年9月1日〜1月31日
  • 狩猟の時間帯: 日の出2時間前から日没2時間後まで(日曜・祝日は13時まで)
  • 罠猟のシーズン: 10月20日〜1月10日。銃ではなく地面に張る網を使います
  • 規模: 全国で1km²あたり約44人の登録ハンター・トラッパー。世界一の密度です
  • 守られている場所: 管理された自然保護区は、法律で狩猟・罠猟が禁止
  • いちばん簡単な2つの備え: 明るい服と、登山道を外れないこと

マルタの狩猟シーズンに歩くときの要点:時期・時間帯・明るい服・登山道を外れない

まず、マルタの田園で狩猟は合法です。何が許されているのか

マルタの秋の狩猟シーズンは、毎年9月1日から1月31日まで。直近のシーズンでは、陸の40種と海の12種が対象でした。狩猟ができるのは日の出の2時間前から日没の2時間後まで。日曜と祝日は13時までと早く終わります。この「朝と夕方」のパターンは、あなたにも関係します。狩猟がいちばん盛んなのは夜明けと日暮れの時間帯。暑さを避けたいランナーが走りたい時間と、ちょうど重なるからです。日中、午前半ばから午後にかけては、ぐっと静かになります。

先に一つ、思い込みを正しておきます。「狩猟シーズン」は、秋だけのきれいな期間ではありません。ウサギ猟は別枠で、だいたい6月から年末まで続きます。つまり2〜3月ごろの小休止をのぞけば、マルタの田園では一年のほとんど、なんらかの狩猟が実際に行われています。秋の鳥猟は、それがいちばん激しく、いちばん目に見える時期、というだけなのです。

その年ごとの正確な日程は、9月1日の直前に出る法令(リーガル・ノーティス)で確定します。9月1日〜1月31日という枠は何年も変わっていませんが、特定の日付をあてにするなら、出発前に最新の告示を確認してください。[VERIFY: 2026/27シーズンの正確な日付を確定する法令は、執筆時点でまだ公表されていません。]

数字で見る:なぜマルタは世界一ハンターの密度が高いのか

訪れる人がいちばん驚くのは、その規模です。はっきり書いておきます。2024年、マルタには登録ハンターが10,029人、登録トラッパーが4,105人いました。面積216km²の島にこれだけいるので、全国平均で1km²あたり約44人。人が住むエリアを除くと、1km²あたり60人を超えます。どちらの数字も、世界でいちばん高いハンター密度とされています。

とはいえ、数百メートルごとにハンターに出会う、という意味ではありません。ただ、シーズン中の田園地帯は、ヨーロッパのほとんどの場所とは違って、本当に「共有された空間」になる、ということです。狩猟がめったに見られない、目立たない活動である国から来たなら、感覚を少し上書きしてください。畑の端で銃声が聞こえ、ハンターの姿が見える。それはこの島では異常ではなく、ふつうのことです。

狩猟と罠猟:何が違い、いつなのか

この2つは別の活動です。シーズンも、方法も、あなたが気づくものも違います。

狩猟(ハンティング) 罠猟(トラッピング)
シーズン 9/1〜1/31 10/20〜1/10
方法 散弾銃 地面に張るクラップネット
主な対象 陸40種+海12種 ツグミ、ムナグロ(ほかフィンチ類の「研究」枠)
気づくもの 銃声、開けた場所のハンター 網、小さな隠れ場所、地面近くのおとり

罠猟は、狩猟の枠の中でさらに細かく区切られています。直近のシーズンでは、ツグミの罠猟が10月20〜31日、ツグミとムナグロの両方が11月1日〜12月31日、ムナグロだけが1月1〜10日でした。別に「研究」枠として、7種のフィンチを捕獲して放す罠猟が10月20日〜12月20日に認められました。2025年には、マルタとゴゾ島あわせて4,573か所の罠猟サイトが登録されています(クラップネット1,641か所+フィンチ「研究」2,932か所)。地図も公開されています。歩く人にとっての意味はこうです。罠猟のサイトは地面にあり、登山道のすぐ脇にあることも多く、しかも数千か所ある。ゴゾ島も例外ではありません

法律で守られている場所と、「保護」が保証しないこと

管理された自然保護区の中では、狩猟も罠猟も法律で禁止されています。アーディラ、シマール、サリナ、フォレスタ2000、ブスケット・ウッドランズ。いずれも法的に保護されていて、シーズン中にいちばん安心して歩ける場所です。こうしたエリアの中や近くを通るルート、そして整備された海沿いの道を選ぶ。それが9月〜1月のいちばん安全な選択です。

ただ、正直に書きます。この法的な保護は、近くでまったく活動がない、という絶対の保証ではありません。バードライフ・マルタ自身の報告によれば、違法な狩猟は今も続いていて、合法シーズン中ですら保護対象の鳥が撃たれることがあり、保護区に隣り合う田園でも起きています。つまり「保護されている」とは、そこでは狩猟が許可されていない、という意味であって、隣の畑からの銃声を一度も聞かない、という意味ではありません。保護区は「ずっと安全」ではなく「ずっと安全性が高い」場所と考えてください。

見分けられると役に立つものも、いくつかあります。目にするものの中には、それ自体が違法なものもあるからです。電子式のバードコーラー(鳥寄せの音を出す機械)は常に禁止。プラスチックのおとりは合法です。放置された網、公式の登録リストにない罠猟サイト、生きたフィンチが入った鳥かご。これらはバードライフ自身が「違法な罠猟のサイン」として挙げているものです。取り締まる人になる必要はありませんし、他人の道具に触れてはいけません。それでも、何を見ているのかが分かれば、不気味な光景が理解できる光景に変わり、通報したいときの手がかりにもなります。

実践アドバイス:何を着るか、銃声は何を意味するか、どうするか

いちばん役に立つのは、目立つことです。明るい色を着て、緑や茶色、カーキは避けましょう。カモフラージュ、あるいは最悪の場合「獲物」に見えてしまう色だからです。高視認性の一枚、明るいキャップ、派手なランニングウェア。それで十分です。これは、ハンターがいちばん活発になる薄明かりの時間帯にこそ効いてきます。

整備された登山道を外れないこと。そして、できるだけ保護区の中か近くを歩くこと。シーズン中に道を外れて茂みに入っていくのは、ハンターが「人がいるとは思わない」場所に入り込む、まさにその入り方です。決まったルートを歩けば、地面の網や隠れ場所からも距離を取れます。

銃声について。シーズン中に近くで銃声が聞こえるのはふつうのことで、たいていは畑の低い位置や空の鳥に向けたもので、あなた個人を狙ったものではありません。正しい反応はパニックではなく、落ち着いて、目立ち続けること。近くで狩猟をしているのが見えたら、距離を取り、自分がはっきり見えるようにして、隠れ場所や網、ハンターに近づかず、開けた場所を横切らずに登山道を進みます。もし違法に見えるもの(放置された網、かごの中のフィンチ、電子コーラー)を見かけても、手は出さないこと。場所を覚えておき、必要ならバードライフ・マルタか警察に通報してください。

正直なところ:当サイトの「ベストシーズン」のおすすめと並べて

ここまで書いても、秋がおすすめであることは変わりません。9月から11月は、やはりマルタで歩き、走るのにいちばんいい時期だと思います。海はまだ暖かく、暑さは和らぎ、人出も減ります。狩猟シーズンは、それを打ち消すというより、「少し工夫して歩いてね」と求めてくるだけです。保護区や整備された海沿いのルートを選び、夜明けや日暮れではなく日中に歩き、明るい服を着る。そうすれば、ほかの記事でおすすめしているショルダーシーズンの歩き・走りを、そのまま楽しめます。

これは、すでに紹介してきたルートにも当てはまります。ディングリ断崖とヴィクトリア・ラインの海沿いウォークマイストラルを抜けるゴールデンベイからアイン・トゥフィーハへの道長めの海岸トレイルラン。どれも、狩猟が行われる開けた田園を通ります。でも、秋に立ち入り禁止になるわけではありません。ただ、朝いちばんに茶色や緑で走るのではなく、日中に、明るい服で、シーズンを頭に入れて歩けばいいルート、というだけです。

よくある質問

マルタの狩猟シーズン中、ハイキングは安全ですか?

きちんと備えれば安全です。マルタの田園では9月〜1月に狩猟が合法で、よく行われています。それでも、整備された登山道を外れず、保護区を優先し、明るい色を着て、夜明けや日暮れではなく日中に歩けば、安全に歩き・走れます。近くの銃声はシーズン中はふつうのことで、あなたへの危険のサインとはかぎりませんが、見えている狩猟からは距離を取りましょう。

マルタの狩猟シーズンは何月ですか?

秋の狩猟シーズンは毎年9月1日〜1月31日。狩猟ができるのは日の出2時間前から日没2時間後までで、日曜・祝日は13時までです。罠猟はその枠の中で10月20日〜1月10日。別枠のウサギ猟はだいたい6月〜年末まで続くので、2〜3月ごろの小休止をのぞけば、一年のほとんど、なんらかの狩猟が田園にあります。

マルタの自然保護区は狩猟から安全ですか?

歩くならいちばん安全な場所です。管理された保護区(アーディラ、シマール、サリナ、フォレスタ2000、ブスケット・ウッドランズ)は、法律で狩猟も罠猟も禁止されています。ただし、禁止イコール近くで活動ゼロの保証ではありません。バードライフ・マルタは、保護区に隣接する田園を含め、違法な狩猟が今も起きていると報告しています。「完全に閉ざされた場所」ではなく「安全性がずっと高い場所」と考え、その中の道を歩きましょう。

秋にマルタの田園を歩くとき、何を着ればいいですか?

明るく目立つ色です。カモフラージュや獲物に見えてしまう緑・茶・カーキは避け、高視認性の一枚や明るいキャップ、派手なトップスで、人だとはっきり分かるようにしましょう。目立つことがいちばん効くのは、狩猟が盛んな夜明けと日暮れの薄明かりの時間帯。だからこそ、シーズン中は日中に歩き・走るのがおすすめです。

ハイキング中の近くの銃声は、何を意味しますか?

シーズン中なら、たいていは近くの畑での合法な鳥猟で、道の上の何かではなく、低い位置や空に向けたものです。ふつうのことで、それ自体はあなたへの危険のサインではありません。落ち着いて、明るい服ではっきり見えるようにし、実際に見えている狩猟からは距離を取り、音のするほうへ開けた場所を横切らず、登山道を進みましょう。